第10章 秋風
「ん、わかった。ん…じゃあね。」
学校の帰り道、
電話が掛かってきた。
「よぅ、ユウスケ!誰と話してたんだよ~。」
ケイタが後ろから飛び付いてきた。
僕は、慌てて電話を切った。
「か、母さんだよ。」
「なんだよ、つまんねーなー。」
ケイタも部活を引退したから、
放課後は暇らしい。
僕も、完全に引退したから
駅前の文房具屋に寄って
原稿用紙を買って、早く仕上げたい。
「発表会残念だったな。」
ケイタが見に来てくれてた。
みんな、本当に頑張ってくれた。
稲葉なんて、泣いてたよ。
残念ながら、2位だった。
1位になれば、県代表になれたんだが。
「来年、県代表狙うって。」
「ユウスケが、また脚本だろ?」
そう。
引退する最後の日に
近隣高校の現役、
OB含む演劇サークルの
脚本担当に、再度誘われ、
それを引き受けた。
「最近、ユウスケ、変わったな。人と付き合うようになった。」
自分でも、そう思う。
面倒だ、と思う事が少なくなった。
理由はわかっている。
夏が終わった頃から、
ナナミと連絡をマメに
取り合うようになった。
僕から電話をする事もある。
「女でも出来たか?」
ケイタはニヤニヤしてる。