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僕の視線の先に

第10章 秋風





進路。



あれから、父さん達は
何も聞いて来ない。



「東京には行かないよ。」



それだけ伝えた。





それで二人は安心したようだ。





実は、今、また原稿を描いている。
部活は、稲葉に任せているから、
以前よりは気楽だ。

稲葉も、日に日に、緊張が解けたのか
以前の稲葉に戻った。
衣装担当のミカとは、
たまにケンカしているが、
それでも仲良くやっている。




夏休みの間に、以前原稿を見てもらった
編集者に連絡を取った。

意外にも、電話の向こうで驚きの反応だった。


「連絡なくて心配したんだよ。」



へ?


僕も驚いた。







以前、持ち込みした時は
話半分で、編集社を後にしたから
大事なとこは聞いていなかった。





「やっぱり聞いていなかったのかぁ。」



電話の向こうで、大笑いされた。



「描いているんだろ?見せてくれよ。」





あと1週間で、発表会は終わる。
発表会上位になれば、また先があるが
その時は、完全に稲葉に引き継ぎ、
僕は、退くつもりだ。




「あともう少し待って下さい。」


「期待して待っているよ。」





僕は、Gペンを取りだし、
インクボトルに、そっと浸けた。






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