第1章 桜
教室に入ったら、
見慣れた顔ばかりだった。
まぁ、3年ともなりゃ、
そうだよな。
少し安心した。
でも、少し面倒。
「お!お前ら、また一緒なんだな」
「本当に仲いいよねぇ。」
他愛もないが、
毎回言われる。
そんな事思う自分にも
面倒だな、とも思う。
「ユウスケが苦手な事は、オレがやってやるよ!」
中学の時に、
ケイタから言われた言葉だ。
それから、
新しい環境の時期は
頼んでもいないのに
気が付くと
ケイタが僕の少し前を立っている。
僕が慣れるまでの
クッション役でいてくれる。
「オレはユウスケの女房だから、常に一緒なんだよ」
そう言いながら、
みんなの前で肩を抱く。
「よせよ、ゲイだと思われるだろ。」
もちろん、そんな事思っていないし
ケイタも周りも思っちゃいない。
僕は…
ぼんやりと窓の外を眺めた。
「アイツは何組なんだろう」