第20章 僕達の旅立ち。
合宿初日。
…とは言え、日中は授業がある。
授業を終え、当番の班が宿泊準備に向かう。
食事当番、部屋の掃除、大浴場の掃除、お湯はり、コミュニケーションルームの掃除。
初日は主に掃除だ。
僕らの学年は、3クラスだが、それぞれの
クラスから班が出て、全員が4日間当番を
する。
基本的に夜は自由で、コミュニケーション
ルームで、テレビを見たり、ゲームをしたり
、体育館でバレーボールやバスケをしたりしてもいい。
コミュニケーション取るのが得意な奴らは、
まぁ、楽しいだろうなぁ。
これで、結構カップルが出来るらしい。
安易だよな…。
憂鬱過ぎて、授業の内容が身に入らない。
深い溜め息をつきながら、窓の外を眺めた。
「花本くんって、大人しいよね。」
合宿所に来て、僕は食事当番だった。
ひたすらジャガイモを剥く係りだ。
横で、ニンジンを切っている女子が、
何か言ってきた。
僕は、特に返事をするつもりはなかった。
大人しい、と言われて、どう答えれば
いいのか、わからないんだよね。
女子は、僕が何も答えないもんだから、
不思議な顔をして、再び、ニンジンを切り始
めた。
「ユウスケはね、大人しいんじゃなくて、
大人びてるんだ。」
後ろから、ケイタの声がした。
ニンジンを切っていた女子は、びっくりしていた。
「ケイタ。驚かすなよ。ケガする…。」
僕が言う言葉なんて、お構い無しに、
ケイタは満面の笑顔だった。