第20章 僕達の旅立ち。
校門をくぐると、すぐ側にある桜の蕾が、
ほんのり桜色に染まっていた。
「ケイタ、まだ花見は出来ないな。」
見上げながら、ケイタに話しかけた。
学校に着くまでの間、僕はずっとケイタに
話しかけていた。
今まで、こんなに話をした事があっただろうか。
僕は、いつも、気のない返事をしていただけだった。
ケイタは、こんな僕を一人にしなかった。
「ケイタ。今日で一緒に教室に入るのは、最後だ。行こうか。」
3年の始業式の日、クラス発表の掲示板を
見て、憂鬱になってる僕の背中を、ポンと
叩いて、教室に誘ってくれた。
あれから、まだ一年経っていないんだよ。
一年。たった一年で、何もかもが変わるんだな。
「ユウスケ!」
カナが教室から飛び出してきた。