第20章 僕達の旅立ち。
僕は、学校に向かう途中に、寄る場所があった。ケイタの家だ。
僕の家からは、駅を越えた先で、学校に向かうには遠回りだが、今日は特別だ。
「ユウスケ君、おはよう!」
ケイタのお母さんが玄関先で、待っていてくれた。
「おはようございます。」
「今日で最後の学生生活だね。」
ケイタのお父さんは、ケイタの遺影を持っていた。
「ハイ。今日1日、ケイタと楽しみます。」
僕は、ケイタの遺影を預かり、
「お父さん、お母さん、行ってくるね。」
ケイタのつもりになって、挨拶をした。
「えぇ、後で行くからね、行ってらっしゃい、ケイタ、ユウスケ君。」
お母さんの目には、涙でいっぱいだった。
しかし、僕には、悲しみの涙には見えなかった。我が子を送り出す、喜びの涙に思えた。
「さぁ、ケイタ、行こう。」
ケイタを抱いて、学校に向かった。
道行く学生達は、ケイタの事を知っているし、僕がしている行動も、汲み取ってくれた。
「ケイタ!ユウスケ!おはよう!」
みんなが挨拶してくれる。
いい仲間達だよな、ケイタ。