第19章 僕達の明日
「え。もう籍入れたの!?」
僕は、驚いた。
え。教えてよ、ビックリだよ。
僕がポカーンとしているのを見て、
二人は、また笑っている。
「ゴメンな、ユウスケ。お前の母さんにも、まだ話してないんだ。今、それどころじゃあないだろ?」
コウジさんは、ハンドルを握りながら、
ミラー越しに僕に言った。
「私の提案でもあるの。結婚式は、籍を入れて、一年後に挙げよう、って。皆さんに感謝の意味を込めて、招待して、私達がもてなすパーティーにしよう、って。」
ユカさんが嬉しそうに、僕の方を向いた。
「その時は、ユウスケくん、ナナちゃんと一緒に来てね。」
え。ナナも?
「ブーケトス、ナナちゃんに投げるから。」
え、どう言う意味。
「おい、ユカ、まだ未成年なんだぞ、こいつらは。」
二人は笑っていた。
とても幸せそうに。
僕とナナも、こんな風に、毎日を過ごすのだろうか。
そんな日々がもうすぐやってくる。
「俺の後輩が、不動産屋で働いてんだよ、だから、いい物件見つけといてくれたぜ。」
僕は、コウジさんの後輩の佐々木さんに、
案内してもらい、部屋を見た。
ユカさんは、まるで自分の息子が住む部屋を
チェックするかのように、隅々まで見ていた。
「日当たりも風通しもよし。収納、水回りもよし。」
ユカさんは、大満足なようだ。
僕は、この部屋に決め、契約は、父さんが
夜、不動産屋に行ってくれるそうだ。
急ぎ過ぎなようだが、早めに環境を整えた方がいい、と、父さんが言った。
「学生ではなく、社会人になる訳だからな。」
確かに。
やらなければいけない事は、たくさんある。