第3章 雨
昼食後、窓を覗いた先
校庭の隅に二つの傘が止まっていた。
よく見てみると一つの傘の中に
カナがいた。
「誰といるんだろ。」
ボンヤリとしか見えない。
制服を着ていなかった。
「…あとで聞くか。」
脚本の下書き用のノートを開いた。
最近、部活が忙しい。
梅雨が空ける頃に
近隣の高校同士で、
発表会をする。
夏休みは、秋のコンクールに向け
合宿もある。
うちは強くもないから
毎回、県内の予選で終わってしまうが
今年が最後、と思うと、
やれるだけ頑張ろう、と思う。
去年、先輩が熱くなっていたのが
少し理解出来る、気がする。
午後の授業のチャイムと同時に
カナが教室に戻ってきた。
顔を上げようとせず、
下を向いたまま、
教科書を出し
ただ一点を見つめていた。
そんなカナは、見たことがなかった。
僕も下を向いてしまった。