第18章 スポットライト
松崎ナレーション
~父が行方知れずになり、もはや生存の可能性もなくなり、残された私達は、医院を開業していたおじいちゃんの家に、移り住む事になった。
おじいちゃんが他界して、おばあちゃんは、広い屋敷を改装して、下宿屋「コクリコ荘」を始めた。
お母さんは、大学の研究で海外に長い間行く事が多く、日中は、お手伝いのトモコさんが来てくれているけれど、朝と夕方からの家事は、長女の私が、家事をこなしていた。
そして、私の1日は、信号旗を揚げる事から、始まる。
いつか、お父さんに見てもらえるのを祈って…~
松崎は、当たったスポットライトの先に、手を伸ばし、旗を揚げる仕草をした。
風間ナレーション
~僕は、学校のある街の港まで、父の船に乗せてもらい、そこから自転車で坂を越え、学校に向かう。毎朝、船に乗りながら、向かう港の手前の高台から、信号旗が見える。誰に向けたメッセージなのか、毎朝見ているうちに、僕の気持ちの支えになった。~