第15章 僕たちの行方
『ユウスケ、手首の具合はどう?』
ケガをしてから、1か月少し経ち、
ほぼ完治をしていた。
まだ精力的にはマンガは描けないが、
ネーム位なら、支障がない。
「大丈夫だよ。無理しないようにやってたから、痛みはないし、マンガも描けるよ。」
朗読劇のポスターは、デジタルで描いた。普段は、アナログで描くが、新しい事に挑戦する意味も兼ねて、デジタルにした。
正直、手首にも負担は少なかった。
「明後日来るんだよな?」
一週間後には、大学の入試だ。
学校は、自習になっている為、登校しなくても良い。
だから、ナナミは、早めにこっちに戻って、入試に備える。
「うん。夕方には着くと思う。」
「わかった。夜、うちでご飯食べよう。母さんが待ってるよ。ナナのおばあちゃんも一緒にね。」
「あ、ほんとに?わかった。ありがとう!」
うちの母さんと、ナナミのおばあちゃんは、元々顔馴染みだったけど、僕達が付き合い出してからは、更に親密になった。
母さんには、母親も父親も…つまりは、僕のおじいちゃん、おばあちゃんだな、もう亡くなってしまっているから、ナナミのおばあちゃんが、母親みたいに思えるそうだ。
一人暮らしと言うのもあるから、うちの父さんも、近くを通った時には、買い物を届けたりする。
田舎特有のご近所付き合いってヤツかな。
ピロン…
「?」
ナナミと電話を終えて、
すぐにLINEが来た。
『ユウスケ』
…カナだ。
認識してすぐに電話が掛かってきた。
『ユウスケッ!!!』
電話の先から、カナの悲痛な声が聞こえた。