第9章 友達と恋人の境界線
ー雅紀sideー
翔ちゃんは俺が送って行くというのも聞かずに…影山さんの迎えで帰って行った。
俺を警戒したのか…気まずかったのか…。
何度もごめんと言っていた。
「はぁ…」
ベッドに仰向けに寝転がり、天井に右手をかざした。
さっきまで…この手で翔ちゃんに触れていた。
夢だった翔ちゃんの身体。
この手で…翔ちゃんの塊に触れ…蕾に触れた。
「翔ちゃん…」
指を挿れた瞬間…翔ちゃんが痛いと身を捩って泣いた。
翔ちゃんはまだ…あの男に身体を捧げていなかった。
そう思ったら…どうしようもなく興奮した。
翔ちゃんの初めてを…バージンを俺が貰うんだ。
そう思ったら…我慢出来なかった。
翔ちゃん…翔ちゃん…。
でも翔ちゃんは…まだあいつの事が忘れられない。
あいつの事…想ってる。
俺はまだ…親友の壁を越えられない…。
こんなに愛してるのに…どうしたらいい?
どうしたら翔ちゃんは…俺の事見てくれるんだ。
翔ちゃん…教えて…。
もう俺は…君無しの人生は考えられないのだから…。
「っっ…うっ…」
両手で顔を覆いながら…俺は翔ちゃんを想い涙を流した。