第9章 友達と恋人の境界線
雅紀「落ち着いた…?」
「………うん…」
服を着た後、雅紀は俺を支える様に抱き締めてくれた。
雅紀「本当…ごめんね翔ちゃん…」
「俺は…大丈夫…ごめん…まだ覚悟出来てなくて…」
雅紀「俺が強引だった。焦っちゃったんだ。本当にごめん」
赤く腫れた俺の目蓋にそっと…キスが落とされる。
雅紀「好きだよ翔ちゃん…俺の事…許して…」
「許すも何も…俺の方こそ…ごめん…」
雅紀「翔ちゃんは悪くないんだ。俺が悪いんだ。翔ちゃんが好きで好きで…翔ちゃんの気持ち考えなかった」
「………」
雅紀…。
ごめん…。
雅紀の事…大好きなんだ。
俺にとって…欠かせない存在で…1番俺の事理解してくれる。
雅紀となら…幸せになれると思ったのも…間違ってない。
でも…俺は…。
遊び半分だったとしても…嫌われてるんだとしても…俺は…智くんの事…まだ…愛してる…。
心から…出て行ってくれないんだ…。
忘れたい…忘れたいのに…。
雅紀の事…友達以上に想いたいのに…。
どうしたらいい…?
どうすれば…俺の心は…。
俺は…まだ雅紀に甘えるしか出来なかったんだ。