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雪の華【気象系BL小説】

第8章 雅紀の告白


「そうか…分かった。もう帰っていいぞ。長居すると危険だ。すぐ戻って来い。あぁ。じゃあな」


病院のロビーで二宮からの報告を受けた後、俺は電話を切って暗いソファーへと腰掛けた。


今日の出来事が…脳裏に蘇る。


今回の事で…もう警察は動き出すだろう。
大野組と松本組の抗争が本格的になったのを公にする事になってしまった。


松本のぼんの容態は…命に別状は無いと向こうの病院を張っていた二宮から報告が入った。


でも…ぼんに右手の小指を撃たれ、粉砕してもう元には戻らない。
そして両足までもが撃たれた。
それに加え…暴走したぼんに両腕を折られた。
暫くの間は…五体不満足だ。


『暫く大人しくなる様にしてやる』


その言葉の通りになった。


ぼんだって…7箇所も撃たれたのに全てが擦り傷で…今ようやく落ち着きを取り戻した所だった。


暴走したぼんを…誰も止められなかった…。
俺の責任だ…。


智父「松岡」


顔を上げると…オヤジと…その傍らには…お嬢さんが居た。


智父「智はどうだ」


「怪我はかなり酷いですが…問題はありません。直ぐに帰れます」


智父「そうか」


「私が着いていながら…申し訳ありません」


智父「お前が居たからこの程度で済んだのかもしれん。お前だって撃たれたんだ」


「………」


智父「様子を見てくるから」


「はい」


そのままオヤジは…エスカレーターに乗り込んだ。


智父「三奈。来ないのか」


智姉「後で行く」


お嬢さんを残して…オヤジと数人の組員はぼんの病室へと向かった。


智姉「昌宏さん…怪我は…」


お嬢さんの手が伸び、包帯が巻かれた肩に触れる。


「大丈夫です」


智姉「良かった…貴方に何かあったら私…」


「………いけません」


肩に触れたその手を握り、俺は下ろした。


智姉「昌宏さん…」


「早く…ぼんの元へ…」


智姉「分かってる…でもお願い。少しだけ…このままで居させて」


「おじょ…」


お嬢さんの腕に抱き締められる。


「………いけません…」


智姉「嫌なら…突き飛ばして…」


そう言いながら…顔を上げるお嬢さんと目が合う。


智姉「………無事で良かった…」


その瞬間理性が飛び、俺は目の前にある…愛しい人の唇を奪っていたのだった。
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