第7章 極道の世界
ー翔sideー
「………」
状況が…理解出来なかった。
愛してるって…言ってくれたのに…。
離れないって言ってくれたのに。
智『もう連絡しないでくれる?迷惑だから』
どういう事…。
きっと…何かあるんだ。
じゃないとこんな事に…なる筈ない。
電話をしても…既に着信拒否されたのか…繋がらない。
メールを送っても…返事はない。
何で…何で…。
影山「翔様。お帰りでしたか。気付かずに失礼を………翔様?」
部屋に入って来た影山が…直ぐに俺の様子に気付いた。
影山「翔様?どうかなされたのでございますか?大野様と何か…」
ハンカチを取り出し、いつの間にか伝っていた涙を拭われる。
「俺…振られたみたい…」
影山「………え…」
「何でかな…愛してるって…言ってくれたのに…」
影山「………」
「影山っ…」
影山は…何も言わずに俺を抱き締めてくれた。
俺は…この時はまだ…智くんの真意を知る事はなく、ただ…影山にすがり付いて泣くしか出来なかった…。