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雪の華【気象系BL小説】

第7章 極道の世界


ー智sideー


「どういう事だよ。父ちゃん」


智父「何がだ」


「何がだじゃねぇよ。会ったばかりの翔くんにあんな酷い事…」


智父「事実だ。あの子と付き合ってもお前には何のメリットもない。むしろ…デメリットだけだ」


「父ちゃん!」


智父「今日みたいな事がまた起こった時…あの子のせいでお前の身に何かあれば困るからな」


「ざけんなよ!!」


思いきりテーブルを叩いて立ち上がる。


「おいらは別れるつもりないから!!そこまで反対するなら…おいら組を継がねぇよ!!」


智父「そうか…これだけ言っても聞かないか」


「当たり前だ!!」


おいらとは真逆に冷静な父ちゃんが余計に俺の神経を逆撫でする。


智父「お前には…話したくなかったがこうなったら言わざるを得ないな」


「は?何だよ」


父ちゃんが腕組みをしながらゆっくりと…語り出した。










おいらは…ベッドに寝転んだまま、スマホを握り締めていた。


画面には…翔くんの連絡先。


「どうして…よりによって…」


流れる涙がシーツに染み込んでいく。


父ちゃんの言葉が…頭から離れない。


何でだよ…何で…。


そのまま画面をタップした。


翔『もしもし智くん?』


ワンコールで翔くんは電話に出た。
愛しい人の声。聞いただけで決意が揺らぎそうになる。


翔『智くん大丈夫?お父さんと話したんだよね』


「………うん…」


翔『………智くん?どうしたの?』


「やっぱりさ、おいら達別れようよ」


翔『………え?』


「色々考えたんだけどさ…やっぱり無理だよ。色々面倒臭いんだもん」


翔『智くん…?何言ってるの?』


「ごめんね。もう連絡しないでくれる?迷惑だから。じゃあね」


翔『さと…』


返事を聞かずにおいらは電話を切った。


予想通り…直ぐに電話が折り返してくる。


おいらは拒否をして、すぐに着信拒否に設定をした。


「くそっっ!!!」


そのままスマホを床に投げ捨てる。


「翔くん…ごめん…。ごめん…」


愛しい人を想いながら…おいらは声を上げて泣いたのだった。
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