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雪の華【気象系BL小説】

第6章 Oasis in the desert


「うわーおっきい…これがジンベエザメ…」


智「すげぇな…初めて見た…かっけー…」


水族館のメインの大型パノラマ水槽。


平日だからか、人はまばらでゆっくりと館内を散策出来た。


「他の魚と一緒に入ってるんだね。襲わないのかな?」


智「ジンベエザメはプランクトン食べるから襲わないんだよ」


「へぇ…智くん詳しいんだね」


智「海の生き物は好きかな。釣りするし」


「そうなの?」


智「うん」


「今度俺も連れて行ってくれる?」


智「いいぞ。朝早いけどな」


「頑張って起きるもん」


智「ははっ」


「あ、向こうスナメリがいるよ。行こう」


智「おう」


俺は智くんの手を引き、スナメリの居る水槽に移動した。




「わー可愛い!」


智「おー本当だなぁ」


移動した先の水槽には可愛らしいスナメリが2匹、楽しそうに泳いでいた。


俺達は水槽の前でその光景に目を奪われる。


時折口を開けてるその姿を正面から見ると…まるで笑ってる様にキュートだった。


「飼いたいなぁスナメリ…可愛い…」


智「ははっ、無理だろー」


「だよねぇ」


すると1匹のスナメリが俺達の前に泳いで来る。


智「お。どうした」


するとそのスナメリが口から気泡の輪っか、バブルリングを吐き出した。


「わぁ、凄い!」


智「上手だなぁ」


俺達の反応に気を良くしたのか、もう一度バブルリングを吐き出した。すると…


「あ…ハートの形…」


上の部分がくびれ、ハートの形になった。


智「こいつ分かってんのかな。おいら達の事」


「どうなんだろ…。でも何か…祝福されてるみたい」


するとそのスナメリがまた口からハート型のバブルリングを吐き出した。


「ありがとね」


すると智くんが体勢を変え、俺の身体が彼の方へと向けられる。


「………智くん…」


翔「翔くん」


そしてそのまま顔が近付き…俺達の唇が重なった。


そしてそれを見つめていたスナメリの口から…3つ目のバブルリングが俺達に向かって吐き出されたのだった。
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