第6章 Oasis in the desert
ー潤sideー
「ひでぇ格好だなぁ」
くくっと笑いながらゆっくりと国分に近付く。
国分「ふざけんなよ…昇龍会の会長になりたいからってこんな真似…げほっ」
アスファルトに血が飛び散る。
「内臓いってんなこれ…いてぇだろ?」
国分「あぐっ!」
和也が蹴ったみぞおちをまた蹴ると国分が身を捩った。
「ははっ。なぁ…どんな気分だ?骨抜きにされた相手に騙されてボコられるって…」
前屈みになり国分の髪を掴む。
国分「くっ…!ざけんな…」
「良かったろ?あいつの身体。全部俺が仕込んだんだよ。感謝しろよ最期に良い思いさせてやったんだから」
国分「俺を…どうする気だ…」
「知らなくていいよ。まぁ本当は松岡辺りが良かったんだけどなぁ…あいつなかなかガード固いから。まずはお前な」
国分「こんな事しても変わらないぞ…昇龍会を…関東を制圧するのは大野組だ。組長と…ぼんだ」
「変えてやるよ…おい和也」
和「はい」
そして和也が持って来た灯油タンクを周りに巻き始めた。
すると国分の顔色が徐々に変わる。
国分「………止めろ…」
「あの世で指くわえてる見てろ。大野組が壊れていく様をな」
国分「止めろーーーっっ!!」
何の躊躇も無く、和也がジッポライターに火を着け、床に落とした。
他の組員が建物の外へと避難していく。
国分「うわぁぁーっっ!!」
炎の中、国分の悲鳴がコンクリの部屋に響く。
「よくやったな和也」
和「………はい」
「来いよ」
そっと俺の隣に立つ和也を引き寄せキスをした。
和「ん…じゅ…さ…」
和也の腕が首に絡む。
目の前で燃えていく男を背に俺は夢中で和也を貪っていた。