第5章 Ardent Love
ー智sideー
電話を切ったとほぼ同時に部屋のドアをノックされる。
「はい」
侑李「………智さん」
「侑李か」
携帯をテーブルに置いて見つめるとにっこりと侑李が微笑む
侑李「………良いですか?」
「おう」
すると嬉しそうにドアを閉め、そのまま鍵を掛ける。
「どうした?」
侑李「ごめんなさい。特に用事は無かったんですけど…最近2人きりになれなかったからその…」
「あぁ…そっか」
じぃちゃんの引退式からバタバタしてたからな…。
侑李の事…構ってやれなかった。
侑李「大野さん…」
「うわっ、と…!」
いきなり飛び込んで来た侑李を慌てて抱き締める。
その表紙においらはそのままベッドに押し倒される形で倒れてしまった。
侑李「大野さん…」
「ちょ…侑李…」
そのまま侑李の手がおいらの股間に伸び、ズボン越しに撫でられる。
「ん…ゆ…り…」
そのままいきなり侑李の唇が重なって来た。
「ん…ちょっと侑李…!」
無理矢理侑李の身体を離し隣に座らせる。
侑李「………大野さん…」
「ごめんちょっと…そういうのは…」
侑李「え…?どうして?」
泣きそうな顔で侑李がおいらを見つめる。
「いやその…もうこういう事…出来ないから…」
侑李「どうして…?」
「………ごめんな。好きな子…出来たんだ。だから侑李とはもうこういう事…しない方が…」
侑李「………そんな…」
「ごめんな…」
侑李「………謝らないで下さい…求めたのは…俺なんです。遊びで良いって言ったのも俺だから…。幸せです。俺の初めて…貰ってくれたから」
ぽろぽろと侑李の目から大粒の涙が溢れる。
侑李「でも…お願いします。最後に…もう一度だけ…抱いて下さい。諦めますから…」
「侑李…」
侑李「お願い…大野さん…抱いて…」
「ゆ…ん…」
今度はゆっくりと…侑李の唇が重なって来た。
情に流されるおいらじゃなかったんだけど…。
そのままキスしながらおいらは侑李の身体をベッドに沈めたのだった。