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雪の華【気象系BL小説】

第1章 夜明け前


ー翔sideー


雅紀「落ち込むなって翔ちゃーん」


「落ち込まずにいられるかっての…」


雅紀「まぁまぁほら…食べよ?」


雅紀に促され、注文したてりやきバーガーを一気に頬張る。


「もが…」


雅紀「でも本当に気付かなかったの?他に男が居たって」


「………全然…」


雅紀「まぁ、今は仕方ないよ。受験に専念出来るから丁度良かったって思ってさ?」


駅前のマクドナルド。
2階の1番奥の席が俺と雅紀の特等席。


お互い受験で忙しかったせいであまり会えてなかったけれど…今日はどうしても親友のこいつに会いたかった。


昨日俺は…彼女に振られた。
『好きな人が出来た』
たった1行のラインであっさりと。


雅紀「でもさー俺今だから言うけど…別れて正解だと思うよ?」


チーズバーガーをパクつきながら…雅紀が俺を見つめる。


「何で」


雅紀「だってあの子…翔ちゃんの見た目と家柄しか見てなかった感じがしたもん」


「まぁ…俺も薄々感付いてはいた…」


雅紀「でしょ?」


「最後に会った時喧嘩したからなぁ…それから連絡取らなかったから…」


雅紀「それ初耳。何で喧嘩したの」


「うん、まぁ…言葉使いとか?」


目の前に居る親友の事…『学歴低い馬鹿』って言ったからってのは…心に秘めておいた。


雅紀「相変わらずお堅いんだから翔ちゃんは」


「そんな事無いよ」


雅紀「いい子居たら紹介してあげるよ」


「いいよもう。受験終わるまではパス」


コーラを飲みながら窓からの景色を眺める。


本当に…この時は、暫く恋はいいと思ってた。
でも…すぐそこに迫っていたんだ。


俺の…人生で最初で最後の恋が。
沢山の人を巻き込んだ…命懸けの…恋が…。
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