第5章 Ardent Love
ー智sideー
「もうそろそろ…行かなきゃ…」
翔「ん…やだ…行かないで…」
ベッドから起き上がるおいらの腕を翔くんが引っ張る。
「こーら。翔くんもそろそろ行かないとまずいんじゃない?パーティーの主役でしょ?」
翔「んー…じゃあ唇だけ置いてって…」
「んふふ。出来るかよぉ」
翔「ふふっ」
おいらの休憩が終わるまでの時間…翔くんのベッドの上でおいら達はずっとキスしてた。
自分達の事話しながら…ずっと唇を重ねてた。
でももうすぐそんな時間も終わる。
おいらはベッドから起き上がり、脱いだままの制服を掴んだ。
翔「智くん」
「ん?」
翔「何で…毘沙門天にしたの?刺青…する時」
「うん…戦いの神様ってゆーか…武神なんだよね。昔の中国で。ほら、うちは色んな戦いがあるから…おいらうんざりなんだよそういうの。でもそういう訳にもいかない。戦いを制しないと…殺られる。だったら戦わないといけない。大野組が勝てば…戦いを終わらせられる。終わらせる為に戦おうって。そういう意味でかな」
翔「そうなんだ…」
そっと翔くんの唇が…背中に触れる。
翔「………痛かった?」
「すげーいてぇ。入れたくなかったけど16になったら強制でさ。だからせめて…何を描くかはおいらが決めるって…毘沙門天にした」
翔「怒るかもしれないけど…似合ってるよ」
「翔くんに言われると嬉しいな」
翔「本当?」
「うん」
嬉しそうに微笑むその笑顔が…凄く可愛くて。
おいらはまた翔くんを押し倒してキスをした。
翔「ん…ちょ…行くんでしょ?」
身体を押しながらも翔くんは嬉しそうに笑う。
「後5分だけ…」
そう言いながらまた翔くんに吸い付いた。
するといきなり部屋の扉が開く。
影山「翔様。ご気分は…」
「っっ!」
慌てて起き上がると翔くんも一緒に起き上がった。
翔「か、影山!」
影山「誰だ!!」
声を上げながら影山と呼ばれた銀縁眼鏡のその男はおいらに向かって来た。