• テキストサイズ

雪の華【気象系BL小説】

第5章 Ardent Love


「………」


ゆっくりと彼が俺に背中を向ける。


「………それって…」


智「………おいらの父親は…大野組4代目組長、大野守。おいらはその息子。多分…5代目継ぐ事になると思う」


彼の背中に描かれた物から…俺は目が離せなかった。


ゆっくりと近付き…その背中に触れる。


「これ…もしかして毘沙門天?」


智「よく分かったね」


「うん」


智「………翔くん」


彼が正面を向き、俺の手を握る。


智「君は…警視総監の息子。おいらは…ヤクザの跡取り。それでも…平気?」


「………」


智「ごめんな…。こんな卑怯な事して。でも…もしかしたらこれから色々面倒な事も出てくるかもしれない。もし君が嫌なら…」


「分からない」


智「………」


「そんなの分からないよ。これからどうなるかなんて。でも…分かってるのは…俺は貴方が好きなんだよ。あの日逢って直ぐキスしたのだって…さっき…あんなキスしたのだって…ただ…貴方が好き。それだけなんだよ…警視総監の息子とか…ヤクザの息子とか…分かんない…」


智「翔くん…」


そのまま腕を引き寄せられ、彼の腕の中に収まる。


「このままずっと…側にいれたら…それだけでいい。智くん…」


智「おいらも…君と一緒に居たい…何も…考えたくない」


「智くん…キスして…」


顎を持ち上げられ、唇が重なる。


この瞬間…俺達の恋は一気に燃え上がったんだ。


ただ…智くんと一緒に居たかった。
それだけだった。


でも…俺達の回りは…それを許す事さえも…してくれなかったんだ…。
/ 260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp