第24章 番外編ー修と智宏ー
智宏「おーい」
遠くから笑顔で手を振る智宏の姿。
手を振り返しながらそこに駆け寄っていく。
「………え?」
隣に立つ男が誰だか分かると…俺の顔は曇った。
「何で…そいつが居るんだよ」
智宏「………護衛。こいつがさ、またちゃんと会いたいって。修くんに」
「………」
知念の目の前に立つと…知念は深々と頭を下げた。
知念「………申し訳ございません。急に…」
「………」
知念「何度謝っても…許される事ではないと思います。けれど…でも…」
「どうして兄さんを…殺したの?」
知念「………」
「正直に言って」
知念「………悔しかった。私は…ずっと智さんが好きで…ずっとずっと…好きで…でも…突然出て来た櫻井さんに…智さんは心を奪われて…。彼が居なくなれば…また智さんは俺を見てくれると…抱いて…くれると…それしか…頭に無くて…」
ボロボロと…知念の瞳から涙が溢れる。
知念「倒れた櫻井さんを見て…怖くなって…何て事したんだって…。組に戻って…長瀬さんに全て話しました。それで…自首を…」
「………」
知念「そこで…智さんも…自殺をしたと…」
「………俺は貴方を一生許さない。許すなんて出来ない。罪を償っても…それは消えない」
知念「はい…」
「一生背負って生きていって。それから…天国での2人の幸せを願って下さい。心から。そうすればいつか…許せないけど…謝罪は受け入れれると思うから…」
知念「………はい…!」
知念はまた深く頭を下げた。