第24章 番外編ー修と智宏ー
「本当に…もらっていいの?」
智宏「うん。修くんに持っていた方が…お兄さんも嬉しいと思うから」
「ありがとう。来て…良かった」
智宏「うん」
兄さんの写真をポケットに入れた後、にっこりと微笑む智宏の手を握った。
「俺だけが…辛い思いをしてるって思ってた。でも君も…お父さんとお兄さん亡くして…俺より…」
智宏「………どっちが辛いかなんて分かんないよ。でも…沢山のもの残してくれた。それを忘れない様に…いきていきたいな」
「………君は…俺より年下なのに…大人だね」
智宏「まぁ…特殊な環境だからねぇ」
「そっか…」
智宏「………あのさ。修くん」
「ん?」
智宏「………今度…付き合ってくれない?」
「何?」
智宏「君と一緒に行きたい場所があるんだ」
「………何処?」
智宏「内緒」
「ぷっ。何だよそれ」
智宏「いいじゃん」
「………いいよ」
智宏「ありがとう」
謎の約束をした後、俺と姉さんは大野家を後にした。
そして1ヶ月後、俺は智宏とまた会う事になった。
あの場所で…。