第24章 番外編ー修と智宏ー
お線香の匂いが立ち込める部屋。
手を合わせた後…仏壇に飾られたふたつの遺影を見つめる。
1人は…スッとした顔立ちの…イケメンな男。
そしてもう1人は…さっきの少年とよく似た男。
「似てるだろ?」
声を掛けられ振り返ると…その少年だった。
「あ…えっと…」
智宏「大野智宏。智宏でいいよ。修くん」
「あ、うん。あの…あの人は…君の…お父さん?」
智宏「よく言われるけど逆。左が父ちゃん。右が…叔父さん」
「そうなんだ…」
智宏「母ちゃんがいつも笑ってた。『何で父親じゃなくて叔父にそっくりなの』って」
「………」
じゃあこの人が…大野智…。
兄さんの…恋人…。
智宏「じいちゃん。母ちゃん」
智宏の声で顔を上げると…部屋に智宏や大野智と同じ顔立ちの白髪の男性と…綺麗な女性が入って来た。
智宏「俺のじいちゃんと母ちゃん」
智宏母「初めまして。あらほんとに翔くんにそっくりね。ねぇお父さん」
祖父「本当だな…。こうして見ると…智と翔くんが生き返った様だ…」
目頭を押さえながらそのお爺さんは座った。
舞「初めまして。翔の妹の舞です」
「………修です」
俺と姉さんは…正座をして頭を下げた。