第24章 番外編ー修と智宏ー
ヤクザの家ってもっと怖いイメージがあったけど…想像よりはずっと普通だった。
差し出されたお茶を飲みながら…キョロキョロと辺りを見渡す。
姉「こら修。失礼よ」
「だって…」
長瀬「驚いたでしょう。思っていたよりも普通でしたか?」
笑顔の長瀬さんが隣に座る。
「あ…えっと…まぁ…。すみません」
長瀬「いえ。ぼんが…亡くなった智ぼんが…いわゆる世間で言われる極道の雰囲気を嫌っていたもんで…こんな感じなんですよ」
「………そう、なんですか…」
あの後…少年を迎えに来た長瀬さんにどうしてもと言われて…ここに連れて来られた。
1人だったら絶対来なかったけど…姉さんがお線香でも上げようって言うから…仕方なく。
長瀬「来て頂いて…ありがとうございます。先日は…お父様にも来て頂いて」
「………父さんが?」
驚いて姉さんと顔を合わせる。
長瀬「毎年命日には必ず…線香を上げに」
姉「そうなんですか…」
父さんが…。
すると扉がノックされ、あの男が…入って来た。
侑李「………オヤジが帰って来ました。こちらへどうぞ」
長瀬「分かった」
知念という男と目が合う。
すると…深く俺に頭を下げて出て行った。
姉「修。行こう」
姉さんに促され、俺は立ち上がった。