第24章 番外編ー修と智宏ー
「どういう…事?」
カタカタと震える手を…俺は…片方の拳で押さえる事で精一杯だった。
「父さんが…反対したから?ここに…兄さんを閉じ込めたの?」
父「そうだ。私が…押さえ付けたんだ。翔を」
「どうして…」
父「あの頃の私は…思い上がっていた。私が敷いたレールの上を…翔は当たり前の様に歩いて行くと。長男だから当然なんだと…そう思っていた。翔も…それまで私に逆らった事など一度もなかった。その翔が…男を…しかもヤクザの息子に惚れるなんて…思いもしなかった。だから…私が押さえ付ければ…その内目が覚めるだろうと。レールに戻せば…そう思った…」
「そんな…」
父「だから翔は…15年前の今日…家を飛び出したんだ。飛び出して…大野に逢いに…。そこで…殺された…」
「父さん…」
父「私が閉じ込めなければこんな事にはならなかった。私のせいなんだ。私さえ…翔をしっかり見つめてれば…今も…生きていたのに…」
「嘘だよ…そんな…父さん…父さんがそんな…」
父「すまない修。お前から翔を奪ったのはこの私なんだ…」
父さん…父さんのせいで…兄さんは…!
父「修…」
「聞きたくない!そんな話…聞きたくなかった!!」
俺は立ち上がり、書斎を飛び出していた。