第24章 番外編ー修と智宏ー
長瀬「櫻井さん!」
長瀬さんにあっさりと引き離される。
「離せ…離せヤクザ!触るな!!」
長瀬さんから離れようとしたけれど…力じゃ敵わないみたいで…動けない。
知念「申し訳ありませんでした…」
それでも…知念は何度も頭を地面に擦り付け謝っていた。
「謝って許されるか…!兄ちゃんを返せ!!返せよ!!人殺し!!」
知念「申し訳ありません…」
「お前は俺から兄ちゃんを奪った…!お前のせいで…お前とこの大野智とかいう男のせいで…お前らが…俺から兄ちゃんを奪ったんだ!何で兄ちゃんがヤクザなんかに取られなきゃなんないんだよ!お前らのせいだ…お前らの!!」
今までの感情が溢れ出し、俺は理性を忘れて喚いた。
「兄ちゃんは優しい人だった…いつも笑ってた…!兄ちゃんはお前らに騙されて…一緒のお墓にも入れて貰えない!簡単に許せとか言うな!罪を償ったって俺達は痛みは一生消えないんだよ!!」
父「修!!」
戻らない俺を心配したのか…父さんが遠くから走って来る。
父「修…!何やってる」
「父さん…父さん!こいつが…!こいつが兄ちゃんを…」
父「………」
長瀬「………ご無沙汰しております」
父「いえ」
「え…」
父「修…落ち着きなさい」
父さん…こいつらを知って…?
驚きのあまり俺は…いつの間にか抵抗を止めてしまっていた。