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雪の華【気象系BL小説】

第23章 番外編ー潤と和也ー


「二宮…和也…?それは…」


二宮和也…和也…。


俺の…名前?


『そうだよ。お前の名前だ』


「二宮和也…かず…な…り…」


『思い出せ。どうしてこっちに来ない?』


「………俺は…俺…っっ…」


頭が痛い…。
俺は頭を抱えてうずくまった。


俺はまだ行けない…行けないんだ…。
どうして…どうして…?





『和也…和也…』





………声が…する…。


「………逢いたい…逢いたいんだ。俺を呼ぶ人に…」


『………それは…誰…?』


「………っっ…誰…?」


誰…誰…?貴方は誰…?


誰…誰…?


「っあっっ!!」


一気に反転する記憶。


俺を抱き締める…あの腕は…。
いつも呼んでいた声と…同じ人…?


抱き締められていた。
俺は…あの人を…愛してる…。
愛してる…愛して…る…。


「………じゅ…ん…」


潤…。


『よく思い出したな』


「………俺は…潤さんの側に居たいんだ。だからまだそこには行けない!行かない!」


『ふふっ』


「疎まれたって…利用されたって…俺はあの人の物だ。何にだってなる!だから…まだ行けない!」


『………果たして…潤はそう思ってるのかな。お前の事』


「………?」


『潤によろしくな。ずっと見てるって伝えてくれ。それと…暫く来んなって伝えといて』


「は…?」


『生きろ。にの』


すると男の身体がゆっくりと消えていく。


「待っ…」


違う…俺が消えてる…?


どうして…?


待って…!消えたくない!


「潤さんっ…!」


そして俺は光の中から…消えていった。
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