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雪の華【気象系BL小説】

第23章 番外編ー潤と和也ー


『おい…おーい』


誰…?
いつも聞いてるのと違う声…。


『おーい。にの』


にの…?


顔を上げるとそこには…俺と変わらない位の身長の男が…じっと立っていた。


「………誰…」


『………さて。誰だ?』


「………俺が聞いてるんだよ」


『何だよ。せっかくやっとお前を見つけてやったのに相変わらずの口の聞き方だな』


「………え?」


こいつ…俺を…


『知ってるよ』


「え…」


『お前の心の声も…全部おいらには聞こえてるんだ』


「………どうして…」


『おいらは死んでるから』


「は?」


『まぁそれはいいとして。やっとお前を見つけた。お前…元の世界に戻りたいか?』


「………」


『戻りたくないなら…おいらと一緒に行こう』


そう言うと男は手を差し伸ばす。


『おいらの手を握ったら…一緒に逝けるよ。極楽が待ってる。痛みも苦しみも…怨み辛み…妬みそねみ…全てが浄化された世界。どうする?』


痛み…苦しみ…。


そんなもの…無い方が良いに決まってる。
俺は…手を伸ばした。


『………どうした?』


「………俺…どうして…」


どうしてだろう…。
男の手、数ミリ頃所で手が止まる。


掴めない…。
何故だろう…掴んじゃいけない気がする…。


「俺…俺は…」


『………』


何か…大切な物を…忘れてる…。


何…?
教えて…教えて…!


『………自分で考えろ。二宮和也』
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