第21章 雪の華
『雅紀へ
これが君の元に届く頃…俺はどうしてるかな。
どこに居るんだろう。
今日俺は家を出て智くんと一緒になります。
誰も俺達の事を知らない場所へ。
2人だけの世界に行きたい。
雅紀。
何も話さずに離れる事を…許して下さい。
最後にもう一度会いたかった。話したかった。
でも…今それが出来る環境ではないから。
許して欲しい。
最後にもう一度…雅紀にお礼が言いたかった。
子供の時からずっと…側に居てくれた。
「金持ちの家の息子」そう言われて嫌がらせされたり…色眼鏡で見たり…そんな奴等の中で…雅紀だけは…俺自身とちゃんと向き合ってくれた。
親友で居てくれた。
今までもこれからもたった1人のかけがえのない親友です。
智くんと別れた時も…寄り添ってくれた。
雅紀が「好きだ」って言ってくれた時も…本当に嬉しかった。
誰でも良かった訳じゃない。
雅紀だったから…告白を受け入れたんだ。
雅紀だったら幸せになれる。そう思ったから。
結果…雅紀を傷付ける事になってしまって…本当にごめんなさい。
でも…後悔はしてない。
雅紀が居てくれたから…俺は元気で居られた。
雅紀と付き合ったあの日々も…俺の宝物です。
ありがとう。
雅紀の幸せを…心から願って止みません。
いつか…きっとまた会える。
だからその日まで…待ってて。
大好きだよ雅紀。
愛を込めて
翔』