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雪の華【気象系BL小説】

第20章 2人の道


長瀬が潤の胸ぐらを掴む。


「長瀬止めろ」


おいらが手を出そうとしたがそれを制止される。


長瀬「すみませんぼん。黙ってて下さい」


「………」


潤「………」


潤は長瀬にされるがまま…力なく長瀬を見ていた。


長瀬「立てよ」


胸ぐらを掴んだまま長瀬が潤を引っ張ると潤はふらふらと立ち上がる。


バシン、と思いきり長瀬が潤を殴る。


長瀬「もっとしっかりしろよ!!」


潤「っっ…」


長瀬「今うちは松岡の兄貴を失って…組は瀕死なんだ。そこに寝てる奴のお陰でな。『すまない』だ?本当にそう思ってるんだったら何だその面!!」


「長瀬…」


長瀬「すまないって口だけか!!本当はいいチャンスなんだって思ってんだろ!!うちを潰すいいチャンスだってな!!」


潤「そんな事は…」


長瀬「かかって来いよ!!いつでも来い!!俺が相手になってやる!!大野組は俺が潰させない。兄貴に頼まれたんだ…俺が!!」


潤「………」


長瀬「もっと…しっかりしろよ。大切な人失っても…ボロボロになっても…それを見せずにしっかり立ってる人も居るんだよ」


潤「………」


「………長瀬…」


長瀬が手を離すと…潤はまたその場にゆっくりと崩れ落ちた。


長瀬「すいません。失礼します」


軽く頭を下げて長瀬は病室を出て行った。


「潤………また来るから」


そう言い残しおいらも病室を後にして長瀬の後を追った。
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