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雪の華【気象系BL小説】

第19章 引き裂かれた2人


ー智sideー


翔「もう着替えるの…?」


「だってもう7時半だぜ?お父さん家出るの8時だって影山さん言ってたからさ…」


翔「まだ30分もあるじゃん…」


「30分しかないんだよ。服だけでも…ね?」


ベッドに腰掛け、下着とズボンを履いて振り返ると翔くんはまだ着替えようとしない。


でも…白い肌にまとった白いシーツが翔くんの色気を引き立たせていた。


「何か…女神様みてぇ…」


翔「え?」


「綺麗だよ」


翔「………もう…」


照れ笑いを浮かべながら翔くんはうつ向いた。
本当…可愛い…。


「やっぱもうちょっと」


翔「あ…」


翔くんの肩を掴んで押し倒そうとしていた…その時だった。


「!?」


翔「え…!?」


バタバタと慌ただしくこちらに近付いて来る足音。


翔「何…?」


おいらは慌てて起き上がり、翔くんを抱き寄せた。


ドアが壊れるかと思う程に激しく開き…数人の人が中に入って来る。


翔父「翔っっ!!」


翔「と、父さん…!!」


おいら達の光景を…お父さんは暫く茫然と見つめていた。


上半身裸のおいらが裸にシーツをまとっただけの翔くんとベッドに居る。
床には…脱ぎ散らかされた翔くんの服と下着…。
何をしていたかは…言わなくても伝わってる筈だ。


翔父「………貴様…俺の息子を…」


ぎゅっと拳を握り締めながらお父さんは血走った目でおいらを見つめた。


翔「父さん…どうして…」


翔父「………あいつを捕まえろ」


「え…」


『はっ』


お父さんと一緒に入って来たスーツの男数人がこちらに駆け寄りおいらを押さえ付ける。


「ぐっ…!」


そのまま床にねじ伏せられた。


翔「智くんっっ!!何すんの彼を離せ!!」


翔くんもその1人に押さえられた。


翔「離せ!!父さんどうしてっっ…!!」


翔父「直ぐに警察に連絡しろ。息子が…息子がレイプされた。ヤクザの男に」


翔「な…」


翔父「翔を病院に連れて行け。それで被害届を出すんだ」


『はっ』


翔「ち、ちが…!!違う!!」


そして翔くんがそのまま部屋の外へ引っ張られて行く。


「翔くんっっ…!!」


翔「智くん…智くんっっ!!」


おいらに手を伸ばした翔くんが…そのままおいらの目の前から…消えていった…。
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