第17章 対決
潤「………何か…馬鹿馬鹿しくなった…」
「何だよそれ。人をボコボコにしといて」
潤「だからだよ。いつもそうだお前。余程の事が無い限り俺が何しても反撃してこない。ムカつく…」
「ははっ。おいらは仲良くしたかったんだけどなぁ…」
潤「ぜってー嫌だ」
「嫌われてんなーおいら…ははっ、いてて…」
クスクス笑うと脇腹がビキビキ傷む。
潤「ヒビ入ってるかもな。折ってはないから安心しろよ」
「そっか」
潤が煙草を取り出し、火を付ける。
「おいらもちょーだい」
潤「あん?ちっ…」
舌打ちをしながらも…潤は煙草をおいらにくわえさせ、火を付けてくれた。
潤「これからどうすんだよお前」
「そうだな…とりあえず大学出て…絵で食っていけたら申し分ないけど厳しいからな…翔くんと生きてく為には何でもいいや。とりあえず働くよ」
潤「そうか」
「潤は…組継ぐんだろ?」
潤「そうだな」
「頑張れよ」
潤「何がだよ」
「大野組脅かす位になれよ」
潤「………やってやるよ」
「ふふっ」
潤「松岡に言っとけ。『隙見せたらいつでも昇龍会の頭…奪いに行くからな』って」
「分かったよ。それと…二宮も。戻れって言ってやれ。付き合ってんだろお前ら」
潤「付き合ってねぇよ別に」
「そうなんか?」
潤「………昔から…あいつは俺の言う事聞くんだ。従順で…俺が何をしてても側に居る。あいつは俺を絶対に裏切らない。だから大野に行かせた」
「………ちゃんと…向き合ってみたら?」
潤「………」
「お前には…二宮の存在が必要だと思うよ。何があっても側に居てくれる奴なんて…なかなか居ねぇよ」
潤「………」
「ま、お前次第だよ…」
そう言い終わると…おいらは膝に手を置いてゆっくりと立ち上がった。