第17章 対決
潤「はぁっ…はぁっ…」
「………げほっ…」
ゆっくりと目を覚ますと…涙が目で潤んだ潤が居た。
………気失ってたみたいだな…。
身体の節々が痛い…。
でも…折れてはなさそうだな…。
ヒビは…どうだろ…身体全部痛くて分かんねーや…。
「………潤…」
潤「起きたかよ…」
いつの間にか…拘束されていた身体は自由になっていた。
「………ありがとな…」
潤「は…?お前頭イカれたのかよ…」
「………急所…外してくれてるだろ…」
潤「………」
何も言わずに潤はおいらの隣にドカッと腰を降ろした。
潤「………大概のお人好しだなお前も…」
「潤…いてて…」
痛い身体を支えながらおいらはゆっくりと身体を起こした。
「………おいらはな…お前は…昇龍会を継ぐ器があると思ってるんだ」
潤「嘘つけ…」
「嘘なんてつくかよ…。その性格直せ。でないと一生松兄に勝てないぞ」
潤「………」
「げほっ。組員1人1人ちゃんと見ろよ。将棋の駒じゃねぇんだからさ…」
潤「………」
「………いざって時はタマ張っても守れる位の度胸と器があれば…おいらにも敵わないよお前には」
潤「ふっ…」
「それにうちは…スパイ送り込むなんて卑怯な真似もしないから。止めさせろよ」
潤「………おま…気付いて…」
「たよ。結構前からな」
潤「何で…」
「お前がおいらと鉢合わせしてる時は…あいつずっとお前の事見てた。あんなにクールな二宮がさ…切ないっつーか…大切な奴見る様な目でさ。それにお前が怪我した後…『実家に帰る』とかって言ってたけど…お前んとこ居ただろ?実家の事一切話さないあいつが長期で帰るなんて変だからな。お前怪我した後だし。看病してんのかなーってさ」
潤「………」
「まぁ…半分勘だけどな」
潤「………お前には…完敗だな。大野智」
潤が隣で…ぽつりと呟いた。