第17章 対決
潤「親父…!」
潤が驚いた顔で松本組長を見つめた。
潤「あっさり譲るのかよ!何の為に俺達は今まで…!」
潤父「黙れ潤」
潤「っっ…」
潤父「全てはお前が不甲斐ないからだろ。もうお前は何をしても大野には勝てない」
「………」
潤父「お前は出来るか?丸腰で大野の家にケリつけに行く事が…。出来ねぇよな」
潤「………」
潤父「会長の言う通りだ。お前は昇龍会を背負える器だ。大野智」
「………」
潤父「そのお前が認めてるんだ。さぞかし立派な男だろう。松岡は」
「はい。その通りです」
潤父「もう無様な悪あがきは止める。しかしこれだけは覚えておけよ。もし松岡が私の目にそう映らなかったら…今度こそ徹底的にやるぞ。覚えておけ」
「………はい。その時はいつでも」
潤父「その言葉忘れるな」
「………はい」
おいらは松本組長に深く頭を下げた。
潤父「まだ傷は痛むだろう。もう帰って休め。大野に伝えろ。就任式楽しみにしてるとな」
「はい」
おいらはまだ頭を下げて…立ち上がった。
これで終わった。
そう思った。
早く…翔くんを迎えに行こう。
おいらはその気持ちだけで…松本組を出た。
後ろから付けて来るあいつの姿にも…気付かなかった。
「あぅっっ…!!」
後頭部へと衝撃と共においらは意識を失った…。