第16章 Bird Cage
翔父「家のセキュリティも強化した。それに門にもSPを配置してある。私の許可が無い限り如何なる理由でもお前を外に出すなと伝えてある。出て行こうとしても無駄だ」
「………ちょっと待って…」
翔父「大学も休学届を出した」
「何考えてんだよ!!」
翔父「頭を冷やせ翔!!」
玄関に父さんの怒鳴り声が響く。
翔父「あの男には二度と会わせない。お前が言う事を聞かないなら強行手段に出るまでだ。お前をヤクザなんかから守る為だ」
「………父さん…!!」
翔父「お見合いの件…安部総理には頭を下げて許して貰った。感謝しろ。それにもう決定した。お前は…来月結婚する。いいな」
「ちょっと待って…!!何だよそれ!!」
翔父「帝国ホテルで式を挙げる。バタバタだがな…お前の為に皆さんスケジュールを空けてくださるそうだ。美樹さんも喜んでたぞ」
「そんな事…誰も頼んで無い!!」
翔父「お前を守る為なんだ。分かってくれ。分かってくれるまで…一歩も出さない」
「………」
翔父「仕事に出る。影山車を」
影山「………かしこまりました」
父さんが影山を連れて玄関を出て行った。
「………そん、な…」
閉じ込められた…。この家に…。
それどころか…来月…結婚…?
父さん…どうしてそこまで俺を…。
「………智くん…助けて…」
力が抜けズルズルと…俺はその場に座り込んでしまった。