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雪の華【気象系BL小説】

第16章 Bird Cage


いつもと変わらない朝の風景。


同じ部屋。同じ服。
いつもと何も変わらない様に見える。


でも…智くんが居ない。
隣に居た智くんは…ここには居ない。


ほんの少し一緒に居た時間の中でも…智くんの腕の中は居心地が良かった事に気付かされる。
1人のベッドは…あまり寝付けなかった。


「………会いたい…」


智くんに逢いに行こう。
少しでも…智くんの側に居たいよ…。


俺はベッドから降り、急いで着替えて部屋を出た。





影山「翔様」


「影山。俺智くんとこ行く」


影山「旦那様がお待ちですよ」


「知らない。話したくないって言っといて」


俺はそのまま階段を降りて玄関に向かった。


翔父「翔」


ふいに呼ばれ、俺は立ち止まる。


「………」


翔父「何処へ行く」


「………何処だっていいだろ」


翔父「何処へ行くと聞いてるんだ」


「智くんのとこだよ!彼氏に逢いに行くのに許可なんていらないだろ!!」


翔父「そうか」


「じゃ」


翔父「もうお前は外には出られないぞ」


「………は?」


父さんの言葉に俺は…ゆっくりと振り返った。


翔父「私の言う事を聞かないのなら翔。家から一歩も出さない」


「何言ってんだよ…」


背中がひんやりとする。


「お前が反省するまで…お前はこのままだ」


昨日の智くんの言葉も…父さんの心には響いてはいなかった…。
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