第16章 Bird Cage
『お掛けになった電話番号は…現在…』
「何でだよもう!!」
苛立ちがMAXになったおいらは携帯をベッドに叩き付けた。
翔くんの電話が…繋がらない。
どうしてだ…。
心がざわつく。
………嫌な予感が…する。
きっと何かあったんだ。
そうでなきゃ…電話が繋がらないなんて事はない。
「………そうだ…影山さん…!」
名刺貰って番号登録してたんだ。
おいらは急いで影山さんの番号へと掛けた。
プルルルル…プルルルル…
「早く…早く…」
影山『もしもし』
「影山さん?大野です」
影山『大野様…!良かった。大野様の番号をお聞きしていませんでしたので電話をお待ちしておりました』
「て事は…翔くんに何か…」
影山『………旦那様が…』
「え?」
影山『………翔様を…屋敷に監禁されました』
「………どういう事ですか」
影山『翔様が屋敷からお出になられない様に…門にはSPを配置されました。翔様は…携帯も解約され…大学も…旦那様が休学届を…』
「………嘘だろ…」
影山『………お見合いのお相手と…来月結婚が決まりました』
「………は!?」
そこまで…。
そこまでおいらの存在が許せないのか…。
おいらが昨日伝えたかった事…何も伝わってない…!
やっぱり…無理にでも連れ帰ってれば…!!
「おいら今からそっちに行きます!」
影山『お待ち下さい!』
「でも!」
影山『夜…翔様からご連絡をさせて頂きます。それまで我慢なさって下さい。翔様にも伝えておりますゆえ』
「………影山さん…」
影山『下手に動いて…大野様の身に何かあればどうなさるおつもりですか』
「………分かりました…」
影山『それでは仕事に戻りますゆえ』
そして慌ただしく電話は切れた。
「翔くん…!」
………何も…出来ない…。
おいらは立ちすくんだままぎゅっと携帯を握り締めた。