第13章 True Love
バスルームに入り、シャワーのコックを捻る。
温かいお湯が冷えていたおいらの身体を温めていった。
「ふぅ…」
備え付けのボディーソープで手早く身体を洗う。
早く戻って…翔くんを抱き締めたい。
もう…自分の気持ちに嘘は付かないと決めた。
翔くんを離したくない。
そして翔くんも…差し出したその手を握ってくれた。
「愛してる」と…言ってくれた。
家柄を捨てる覚悟で…おいらの元に戻って来てくれた。
おいらに出来る事は…翔くんを守る事。
きっと巻き込まれるであろう…松本組との争いから守る事しかない。
おいらの命を懸けても…守り抜こう。
そして…何があってももう離さない。
でも…翔くんの為にも…認めて貰う努力もしよう。
「ふぅ…」
バスルームを出て身体を拭き、バスローブを着ながら部屋へと戻る。
「翔くん…あれ?」
ものの10分の間に翔くんは…ベッドの上ですやすやと寝息を立てていた。
「さっきまで顔真っ赤にして緊張してたのにな…」
ベッドに腰掛け翔くんの寝顔を見つめる。
「ま、今日は疲れただろうし…これからずっと一緒だしな…」
その柔らかい髪を撫でながら…ふっくらした唇にそっとキスした。
「お休み翔くん…」
いつまでも飽きずに恋人の可愛い寝顔を見ながら…おいらは夜を過ごしたのだった。