第13章 True Love
ー智sideー
「うわーびしょ濡れ…」
翔「ほんと…ふふっ、このスーツ高いんだけどな…」
「マジ?」
部屋に入るとおいら達は急いで備え付けのバスタオルで身体を拭いた。
夏で良かったな…。
「翔くん。先に風呂入っておいで」
翔「え、でも…」
「いいって。待ってるから」
翔「………うん。直ぐに上がって来るから」
「分かった」
翔くんは急いで風呂へと入って行った。
肌に張り付いたシャツを脱ぎながら…窓際に広げて乾かした。
窓を見ると…さっきより雨も激しくなってるみたいだ。
遠くには…うっすらとおいらが翔くんをさらって来た高級料亭が見える。
「………今頃…櫻井家は大騒動かな…」
あそこから翔くんを連れて…雨宿りにと走りながらたまたま見つけた…レジャーホテル。
おいらはベッドに腰掛け、バスタオルで頭をガシガシ拭いた。
10分程すると…バスルームの扉が開き、バスローブに身を包んだ翔くんが出て来た。
翔「智くんお待たせ」
「おぅ、早いな」
翔「マッハで洗ったから…」
「そっか。ありがと」
翔くんの顔が真っ赤に染まる。
「ん?」
翔「な、何でもない…」
「どうしたの」
翔「だ、だって…上…脱いでるから…」
そう言われてシャツを脱いでいた事に気付く。
「あぁ…そっか」
そっと翔くんに近付き…耳元に顔を近付ける。
「すぐ…戻るから待ってて?」
翔「っっ、あ…は、はい…」
そしておいらはバスルームへと入った。