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雪の華【気象系BL小説】

第13章 True Love


ー翔sideー


翔父「今日は残念な天気ですね」


美樹「そうですね」


料亭の個室で…外を見ながら父さんと美樹さんは会話を交わした。
父さんの隣で俺は…静かにお茶を飲んでいた。


日曜日の昼下がり。


美樹さんと二度目のお見合い。
安倍総理は外せない仕事があり、今日は俺達3人だった。


美樹「翔さん」


「はい」


声を掛けられ、彼女を見つめる。
そのまだあどけない笑顔は…凄く可愛らしかった。
きっと…モテるだろうな…。


美樹「大学の方は…どうですか?」


「ええ…。充実してます。でもまだ1年なんで楽しむ余裕は無くて…。毎日朝から夜まで講義浸けですから」


美樹「そうなんですね。お身体…気を付けて下さいね」


「ありがとうございます」


翔父「美樹さんに心配してもらって息子は幸せ者ですよ」


美樹「そんな…」


本当にそうだ。
言葉遣いや姿勢で分かる。
幼い頃からそういう育ちをしてきたからだろう。


きっと彼女は…夫を支えるいい奥さんになる。
きっと…。


「すみません…ちょっとお手洗いに…」


俺は美樹さんに頭を下げて個室を出た。





外の景色を見つめながらお手洗いへと向かう。
大きな窓の向こうには…広い中庭が広がり、天気のいい日はここで散歩するにはうってつけだろう。
俺達みたいなお見合いには。


「え…?」


目を凝らすと…雨の降る中庭に人が立って居るのが見えた。
その人物は…傘も指さずにこちらに向かって走っていた。


「………」


その人物が誰か分かった瞬間…俺は慌てて窓を開けた。


「さ…智くん…!」


智「翔くん…!」


ずぶ濡れの智くんが…俺の前に立った。


智「良かった…見つけた…」


息を切らしながら…智くんは俺を見て微笑んだ。
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