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雪の華【気象系BL小説】

第12章 10年前の真実


『相葉?来てるよ』


「え…」


いつもとは違う答えに戸惑いながら…俺は雅紀のクラスメートの指差す方を見た。


「雅紀…」


久し振りに見る…雅紀の顔。
端の机に座りながら…肘を付いて外を見つめてる。
沢山の友達に囲まれて笑い合ってるいつもの光景は無かったけれど…俺の大好きな雅紀だった。


『おーい相葉!友達来てるぞ!経済学部の櫻井翔!!』


そのクラスメートが大声で雅紀を呼び、こちらを向いた雅紀と目が合う。
何故か回りのクラスメート達も…俺に視線を向けた。
親切だけど声デカいんだよな…。


………無視される事を覚悟した。
けれど…雅紀は立ち上がり、ゆっくりと俺の元にやって来た。


「………雅紀…あの…」


雅紀「………何?」


「………話が…したいんだ。俺の話…聞いて欲しい。勝手だって分かってる。でも…」


雅紀「悪いけど今日は抗議詰まってるから」


「………そっか。ごめんね…」


やっぱり…駄目だった。
泣くな…泣くな。


「じゃ…」


涙が溢れそうになったから…慌てて踵を返す。
そのまま急いで歩き出す。


雅紀「………翔ちゃん」


「え」


聞き間違いかと思い…振り返ると雅紀が俺を見つめていた。


雅紀「明日なら。3限空いてるから」


「………いいの?」


雅紀「うん。ここに来て?」


「分かった。ありがとう…!」


雅紀に頭を下げ、俺は歩き出した。


雅紀…ありがとう。


そして翌日俺は…信じられない事実を知る事になるのだった。
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