第11章 再会
ー翔sideー
雅紀「ういー…翔ちゃぁん…」
「ほら雅紀帰るよ?」
風間「櫻井1人で連れて帰れる?」
披露宴が滞りなく終わり、俺達はそのまま二次会に参加した。
そこで雅紀は…俺や風間が止めるのも聞かずにどんちゃん騒ぎ。
俺と風間以外は雅紀が盛り上げてくれてると思って楽しくやってたけど…付き合いの長い俺達から見れば…それだけじゃないのは見て分かる。
俺と雅紀は一足早く、二次会の会場を後にした。
風間「雅紀何かあったのか?」
「どうだろ…。俺も詳しく聞いてないから…。ごめんね迷惑掛けて」
風間「暴れたり誰かに絡んだ訳じゃないし大丈夫だよ」
2人で支えながら会場の外で立っていると手配したタクシーがやって来る。
2人がかりで雅紀をタクシーに押し込めた。
「ありがとう風間。じゃあお先に」
風間「うん。今日は本当にありがとう」
「幸せにな」
風間「おう、ありがとう。また連絡する」
「分かった。お休み」
風間「お休み」
風間が見送る中、雅紀の隣に乗り込み、タクシーは雅紀の自宅に向かった。
運転手「お手伝いしましょうか?」
「いや、大丈夫です。ありがとうございます」
運転手「ありがとうございました」
雅紀の家に到着し、タクシーが走り去る。
そのまま雅紀の家に入り、2階の雅紀の部屋へと雅紀を運んだ。
雅紀「翔ちゃんおうち着いたの?」
「着いたよ。だからほら、しっかりして」
雅紀「はぁーい」
雅紀の両親はまだ帰宅しておらず、暗がりの中雅紀をベッドに仰向けに寝かせる。
「はぁ…重かった…」
雅紀「んー…」
雅紀の隣に腰を下ろす。
雅紀「翔ちゃん…」
「ん?うわっ!」
雅紀を見た瞬間、雅紀に強く腕を引っ張られる。
そのままの勢いで俺は雅紀の上に乗っかる形で倒れ込んだ。
目の前には…とろんとした瞳の雅紀の顔。
雅紀「翔ちゃん…愛してるよ…」
「………酔ってる?」
雅紀「酔ってない。翔ちゃん…翔ちゃんは俺の事愛してる?」
「………あの…」
答えられずにいると…雅紀が俺の両腕を掴む。
「あ、ちょっ…!」
クルッと視界が回り、俺が雅紀に組み伏せられる形になった。
すると雅紀がぽつりと呟く。
雅紀「翔ちゃん…しよ…」