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雪の華【気象系BL小説】

第11章 再会


ー智sideー


長瀬「ぼん。ここに居たんですか」


「おー長瀬。どした?」


長瀬「そろそろ会場に行かないと…」


「わーってる」


喫煙所で煙草を吹かしてると長瀬が中に入って来る。


「父ちゃんの体調はどう?」


長瀬「お元気になさってますよ。ご機嫌で挨拶回りしてらっしゃいます」


「そっか」


今日は…姉ちゃんと松兄の結婚式。
本当は秋位の予定だったんだけど…父ちゃんが倒れてから式を早めようという話になって今日厳かに執り行われた。
これから披露宴。


隣の会場でもう1組、カップルが式を披露宴をやるらしい。
迷惑が掛からない様にと父ちゃんの通達があった。


長瀬「………お嬢さん…幸せそうで何よりです」


「だよな」


長瀬「初めてです。お嬢さんのあんな幸せそうな笑顔…」


「………長瀬」


長瀬「はい」


「格好いいぞお前」


長瀬「は…」


「いつも姉ちゃんの幸せ願ってたな。きっとお前にもさ…いい人見つかるよ」


長瀬「………ぼん…気付いて…」


「ました」


長瀬「すみません…」


ふと見ると…長瀬は瞳にじんわりと涙を滲ませた。


「謝るなよ」


長瀬「はい…」


「よし、行こうか。思いきりお祝いしてやろうな」


長瀬「はい」


立ち上がり、長瀬を連れて喫煙所を出て行く。


「わり。トイレ行って来るから先行っといて」


長瀬「はい。あの…ぼん」


「ん?」


長瀬「愛する人の幸せを願う気持ち…ぼんなら分かってくれると思います。俺は詳しい事は分かりませんが…2人がお互いに愛し合ってるなら…一緒になるべきだと思います。お嬢さんと…松岡の兄貴の様に。ぼんにも…そうなって欲しいです俺は」


「………」


長瀬「失礼します」


頭を下げて長瀬は会場へと歩いて行った。


「………」


長瀬の言葉で…頭に過るあの笑顔。


別れてからもう5ヶ月…片時も忘れた事は無い。
まだこんなに…恋しいんだ。


翔くん…。
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