第2章 ◎俺の素顔（忍足侑士）完結

「…姫凪！チョイまち！」

思わず二人を引き止める

『侑士さん！？』

姫凪がびっくりして
俺を見上げる

「あれ？？忍足さんじゃないっすか？」

桃城が姫凪の腕を
掴んだまま俺を振り返る

「あぁ桃城…おったんか?
姫凪しか見てへんかったわ～」

空いている姫凪の腕を引っ張る
姫凪が俺に抱かれる形で
桃城から離れた

「へ～二人はそういう関係？
まぁ、姫凪可愛いし
彼氏くらい居るよな～」

桃城は全く同様する
気配がない…青学の曲者…
姫凪も
やっかいな奴に捕まったな…

『あの…侑士さん？』

姫凪が俺の
胸の中で真っ赤になってる　

「ん？なに？もうﾁｮｲ
このままで居り❤︎ 」

『あ…ﾊｲ…』

俺の笑顔に更に赤くなって
俯く。相変わらず素直で
可愛えぇな…この曲者さえ
居らんかったらムードは
ばっちりやのに…
思わず桃城を睨む

「おぉ…怖い怖い。仕方ない
引き下がりますよ～」

勘の良い桃城は言った
なんや。案外ｺｲﾂも素直…　

「ん…あぁ。そりゃドーモ…」

俺が言い終るのに被さるように

「じゃ～またな！姫凪」

桃城が姫凪に
向かって手を上げた

『また、なんてありません！』

姫凪が言った言葉を無視して

「はいはい～またな～」

笑いながら去っていった
【また】やと!?やっぱり
ｺｲﾂは可愛いない！！

唯一の救いは姫凪が
桃城に興味を持ってないこと
それにしても
姫凪はモテルんやな…

てゆっかガード甘いんちゃう？
俺の知らんところで他の男に
口説かれんといてぇな…
また俺妬いてもーたやんか…