夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第12章 ♤キズを癒やす手(牛島若利)完結
「怖くないか?」
降ってくるように聞こえる声
返事の代わりに頷いてみせると
「お前の男嫌いは俺が治したい」
キツく抱きしめられる
『なんで…ですか?』
いくら後輩の頼みでも
こんな事までするとは思えない
もしかしたら…そう思うと余計に
声が上ずる
「他の誰が治すのも
嫌だと思ったからだ」
いつもの落ち着いた声なのに
どこか優しさが溢れている
気がして
私はそっと身体をあずける
「出来れば俺の手で
お前を癒せたら良いと思う」
『あの…』
「それとも白布が良いか?」
牛島さんの腕の力が強くなる
『賢くんはその…お兄ちゃんみたいで…』
「そうか…安心した」
声を聞いて鼓動が高鳴る音が
聞こえてしまわないように
舞い上がる感情に気付かれないように
なるべく息を潜めて
小さく小さく呼吸する