夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第12章 ♤キズを癒やす手(牛島若利)完結
このまま少し腕を回せば
彼女を抱き締める事が出来る
止まりそうにない衝動は
『あ………』
小さく細い声で繋ぎとめられた
「どうした?」
さっきの邪な思いなど
【微塵も感じてません】
とでも言うように冷静に
極めて慎重に彼女から離れ
視界に彼女を捉える
目の端に写る彼女からは
緊張の表情は消えていないが
先程の俺の邪な思いにも
気づいていないように見えた
いつもの表情は崩れてはいない
俺は心の中で
胸をなで下ろしていた
「迷惑でなければ着ていればいい」
俺は今どんな表情をして
こんな台詞を吐いているんだ?
自分の心臓の音が聞こえる気がする
先程から何度となく視界に入る
彼女の表情が一瞬
ふうわりと和らいだ気がした