夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第12章 ♤キズを癒やす手(牛島若利)完結
さっきの【あ…】はもしかして
【ありがとう】と言いたかったのか?
「これ位なんでもない。礼には及ばない」
『…!』
彼女の表情が変わる
大きく目を見開いて驚いた表情
読みが外れたか?
【洗って返します】の【あ…】
だったとしたら
少し恥ずかしい展開というやつだ
『…はい。あの…すいません
お…借りします……』
「気にするな」
細い声に答える俺の声は
少し震えていたと思う
俺に向けてだけ放った言葉
俺だけを写す瞳に
単純に嬉しいと思った
同時にクラリとした
俺のジャージを纏う彼女
俺と彼女の交じり合う香りが
鼻孔に届き
顔に熱を帯びるのを感じた
そしてズキリと下半身が疼くような
感覚も………
なんだこれは?
彼女が俺を見上げ首を傾げる様に
疼きは更に大きくなる
「…もう帰ろう」
なんとなくだが
これ以上居てはイケない
気がして
頷き後に続く彼女に視線を
戻す事はなく
彼女を送り届けた