夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第12章 ♤キズを癒やす手(牛島若利)完結
「…すまない……」
俯いて涙ぐむ私の耳に
牛島さんの声が届く
思わず顔をあげると
牛島さんは相変わらず真っ直ぐに
こちらを見ていた
「強引に事を運び過ぎたみたいだ
白布と天童をおいかけよう」
牛島さんが足早に歩き始める
『……!』
私は思わず袖口を掴んだ
「どうした?追わないのか?」
自分の行動が理解できない
引き止めた所で話す事など
何もない
なのに行って欲しくないと
思ってしまった
お互いに気まずい空気しかない
この空間が壊れるのが
とても寂しく感じた
「………」
呆れているのかな?
怒っているのかもしれない
何か話さないと……
でも声が出ない
「俺と居るのは
イヤじゃないのか?」
牛島さんの言葉に
思いっきり首を縦に振った
「…よかった。
少し散歩でもして帰ろうか」
ホッとしたような牛島さんの顔が
普段よりもとても幼く見えて
その目を見たまま静かに頷いた