第12章 ♤キズを癒やす手（牛島若利）完結

暗くなりかけた帰り道

「どうだった？牛島さんは？」　

『怖かったぁ、私…怒られたし……』

まだ息が整わない私

「怒ってないって言ってたから
大丈夫だろ
あの人は嘘や冗談は言わない」

『じゃあ…明日も来いって
言ったのは？』

「本気だろ。理由は…ま、いいか。」

『どうしたの？賢くん？』

「なにもない。姫凪は
なんにも気にすんな」

『うん………』

「なんだ？逢いたくないならもう…」

『違うよ！違う…ケド。』

ヤッパリ男の人は怖かった
せっかく話しかけて貰えたのに
殆ど答える事も出来なかった
気持ちが落ちていく
そんな私の後ろから声がした